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脳・脊髄の治療と脳ドック 脳・脊髄の治療と脳ドック

脳腫瘍

脳腫瘍について

脳腫瘍といわれたら

脳腫瘍にはその組織学的特徴から約150種類にも分類されており、それぞれ治療方針が異なります。CTやMRIなどの画像診断である程度は診断可能ですが、正確な治療のためには手術によって腫瘍を摘出し病理診断を行うことが必要です。脳腫瘍の大きな分類法には以下のようなものがあります。

  1. 脳原発性腫瘍(脳組織そのものから発生する)と転移性脳腫瘍(他の臓器のがんから転移することで発生する)
  2. 良性脳腫瘍と悪性脳腫瘍
  3. 無症候性脳腫瘍(脳腫瘍が原因の症状がない)と症候性脳腫瘍(脳腫瘍が原因の症状がある)

脳腫瘍が見つかった場合、まずこれらの方法で分類を行い、基本的治療方針を決定することになります。

1-1)脳原発性腫瘍
良性、悪性を問わず、基本的には腫瘍の量を減らし、病理診断をするために手術が必要となります。ただし無症候性でかつ腫瘍が小さい場合、または脳の深部にある場合、大きくなるかどうかCTやMRIで経過をみる「経過観察」を行うこともあります。
1-2)転移性脳腫瘍
肺癌、乳癌、前立腺癌、リンパ腫など他の臓器にがんがありそれが進行した場合、脳に転移して腫瘍を作ることがあります。また最初に脳腫瘍が見つかって他の臓器にがんがあることがわかる場合もあります。転移性脳腫瘍はもとのがん(原発巣)と同じで悪性ということになりますので、ほとんどの場合治療の対象となります。外科的摘出、放射線治療(拡大局所照射、全脳照射)もしくはその2つを組み合わせて行います。定位放射線手術(サイバーナイフ、ガンマナイフ、ノバリスなど)が適応になることもあります。
2-1)良性脳腫瘍
症候性であれば基本的に手術が必要です。全摘出ができれば再発の可能性は低いと考えられます。無症候性であれば、基本的に大きくなるかどうか「経過観察」を行い、大きくなる場合は治療を考慮します。しかし無症候性でも重要な脳の神経(視神経や聴神経、顔面神経など)を圧迫していて、増大してからでは手術が困難になると予想される場合には予防的に治療を行うこともあります。
2-2)悪性脳腫瘍
脳原発性の悪性腫瘍は、手術は必須です。しかしCTやMRIで見える範囲よりも広い範囲に悪性細胞が散らばっているため、手術によって全ての腫瘍細胞を取り切ることはできません。手術によって病理診断をおこない腫瘍の種類を決定して、効果がある放射線科治療や化学療法(抗がん剤)や免疫療法などを組み合わせます。他の臓器のがんと違って、その発生元の臓器ごと摘出することが不可能であるために再発することが多く、治療が困難です。転移性脳腫瘍は前述のとおり、原発巣のがんが進行した状態ですので再発することが多く、完治は困難です。
3-1)無症候性脳腫瘍
近年脳ドックの普及によって中高年に増加しています。髄膜腫や下垂体腫瘍などの良性腫瘍が代表例です。無症候性の場合は(患者さんの年齢にもよりますが)原則「経過観察」ですが、2-1)に述べたように、発生場所によっては手術が勧められる場合もあります。髄膜腫の場合、「頭蓋底」といわれる脳の深部にできたものはそれ以外のものよりも増大速度が遅いということがわかってきました。
3-2)症候性脳腫瘍
原則、手術を行う必要があります。

代表的な脳腫瘍

1)髄膜腫
女性に多い腫瘍です。多くは良性腫瘍ですが、病理組織的に悪性の場合、または良性であっても悪性の経過をとる場合もあります。原則的に開頭手術による摘出を行いますが、無症候性の場合は、増大速度を判断する目的で定期的にCTやMRIを撮影する「経過観察」を行うことが基本です。無症候でも視神経を圧排し始めていたり、聴神経や顔面神経などの重要な神経に接しており大きくなってからでは治療が難しい場合は、予防的に手術もしくは放射線治療を行うことがあります。
2)下垂体部腫瘍
下垂体部には下垂体腺腫、ラトケ嚢胞、頭蓋咽頭腫などの腫瘍が発生します。ほとんどの場合良性腫瘍ですが全摘出できないことも多く、再発もしくは再増大する場合も少なくありません。これらの腫瘍は大きくなると視神経を圧迫して視力や視野障害を起こしたり、ホルモン分泌異常の症状を出すことが多く、また大きくなると手術での摘出が困難になるため、無症状でも手術が勧められることがあります。下垂体腺腫、ラトケ嚢胞に対する手術は開頭手術ではなく、鼻の孔から内視鏡を用いて行う方法(内視鏡下経鼻的経蝶形骨洞手術)が開発されてきました。またホルモンを過剰分泌する下垂体腺腫(機能性下垂体腺腫)は薬剤治療を優先することもあります。
3)神経膠腫(グリオーマ)
WHO(世界保険機構)が主に悪性度によりグレード1から4までに分類しています。良性腫瘍であるグレード1に当たる腫瘍は多くありません。グレード2は病理学的には良性腫瘍に分類されますが、腫瘍が重要な脳組織に及んでいることが多いため全摘出は困難で、再発しやすい腫瘍です。また再発を繰り返した場合や、無症候性であるため経過観察をしている過程で悪性へ変化(悪性転化)してしまう場合もあります。グレード3と4が悪性腫瘍に相当しますが、グレード4の多くは「膠芽腫」と言い、他の臓器のがんを含めたすべてのがんの中で最も治療が困難とされている腫瘍の一つです。悪性神経膠腫の治療には手術、化学療法、放射線療法を組み合わせる必要があります。また新しい薬や治療法が徐々に開発されつつあり、いくつかの臨床試験も行われています。当施設では大阪大学医学部附属病院脳神経外科およびその関連施設と連携して患者さんごとに適切な治療を行っています。
関連リンク(外部)
  1. Neuroinfo Japan(脳神経外科疾患情報ページ):
    http://square.umin.ac.jp/neuroinf/medical/index.html
  2. 国立がん研究センター がん対策情報センター がん情報サービス
    http://ganjoho.jp/public/cancer/index.html
  3. 脳卒中治療ガイドライン
    http://www.jsts.gr.jp/jss08.html